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「臨床医のためのRコマンダーによる医学統計解析マニュアル」は時間のない市中病院の勤務医が、「R」と「Rコマンダー」を用いて学会発表や論文作成に必要なデータ解析を行えるように作成した手引書です。

基本的な統計解析に関しては図のように順を追ってマウスをクリックするだけで必要な解析を行うことが可能になります。
また、本書があれば小難しい統計学の勉強等を行う必要はなく、すぐにでも適切な方法で医学統計解析を実行することが可能になります。


「R」と「Rコマンダー」について

「R(アール)」とは誰もが無料で使用できる統計ソフトの名称です。

無料であるにも関わらずその信頼度は非常に高くNEJMやJAMA、Lancetといった有名な医学論文雑誌でも「R」で解析された結果が掲載されている程で、もはや「R」を知らないことは時代遅れと言っても過言ではない状態になってきております。

しかしながら「R」を操作するためにはR言語とよばれる文字列で命令文を入力しなければならず、初学者には敷居が高いと思われます。

この問題点を打開するために誰もがマウスクリックのみで直感的に操作が行えるように「Rコマンダー」が開発されました。
すなわち「Rコマンダー」とは「R」をマウスで操作できるように機能を拡張する後付のパッケージのことを意味します。

本書は、この「Rコマンダー」を使って医学統計解析を行うために必要な知識とその操作方法を身に着けるために作成されました。


対象とする読者について

本書は学会でのデータ発表のみならず、論文での使用に耐えられる臨床医学データ解析を行ってみたいという統計初心者の方を対象に作成しております。特に

1.統計といってもどのような手法を用いて解析したらよいのか全く分からない人
2.SPSSやSAS、JMPといった医学統計ソフトが高価すぎて購入をためらっている人

等は本書の良い対象だと考えております。

さらに本書では練習用のデータを使用して自分の手を使って解析を行うことで実際の論文で行われている統計解析の流れを理解できるようになり論文の読解力の向上が期待できます。また、同時に今後臨床研究を行うに当たりどのような点に注意して臨床データを集めればよいかという理解も深まると思われます。

興味がある方は引き続きサンプルを見て購入を検討して頂ければ幸いです。
なお、本書で使用する練習用データはこちらからダウンロードできます。


著者からのメッセージ

初めまして。
循環器内科専門医の原 正彦と申します。
お忙しい中ここまで読んでいただき有難うございます。ここからはちょっと長いのでお時間のある方のみ目を通して頂ければと思います。

本マニュアルを2011年の12月に発売して以来はや約5年半が経過致しました。この間非常に多くの方に本書を御購入頂き、賛辞やご意見、ご質問等を頂きよりわかりやすい教科書を目指して修正を繰り返してまいりました。ご協力頂いた方々にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

ここまで読んで頂いて、おそらく多くの人はなぜ私がこのような形でRコマンダーの普及活動を行っているのかについて疑問に感じておられるかと思います。

せっかくRコマンダーのマニュアルに興味を持ってもらえたようですし、ここまでお時間を頂き読んで頂けた感謝も込めてここではその理由についてちょっとご説明させて頂きたいと思います。

古い話で恐縮ですが、私は医学生の頃かなり不真面目な学生でした。もちろん講義にもほとんど参加せず、むしろ出席表や出席用の印鑑の違法(?)コピーをしたり、友人と共同して代返(出席を取るときに他の人が私のふりをして返事をする)のシステムを確立したりと、どうやったら授業をさぼれるかに情熱を注いでいたようなダメ学生でした。

こんな学生であったため、晴れて医師免許を取得した時には医学統計の知識が全く身に付いていなかったことは言うまでもありません。

しかし臨床の世界に身を置いてみると患者さんの病気を治すことが純粋に面白く、すごくやりがいを感じました。しかし臨床に没頭すればするほど、所謂エビデンスと言われているものが本当にそうなのか疑問に感じる機会が増えてきました。自分はこうだと思ったことと、エビデンスで言われていることが異なることがしばしばあったのです。

そこで自分の考えが正しいのかどうか、実臨床のデータを使って統計学的に確かめたいと思うようになりました。しかし困りました。当時の私には医学統計の知識など皆無でした。そこで死ぬほど勉強しました。まず10万円近くする統計解析ソフトを購入し、その解析ソフトのマニュアル本、それから統計の基礎知識に関する教科書等統計関連書籍を10万円分以上は買ったでしょうか、とにかく勉強しまくりました。

臨床をやりながらの勉強はなかなか体にこたえました。お金だけではなく膨大な時間を統計の勉強に費やしてしまい、学生の時にきちんと勉強しておけばよかったと後悔したものです。

しかしその自分の努力のおかげや、先輩方のご指導、論文投稿での査読者とのやり取り等から多くの勉強をさせてもらい、後期研修から数えて4年の間に臨床をやりながら筆頭著者として英字論文10編を発表することができました(詳しくはプロフィール参照)。

そして一つ気付きました。臨床研究を行う上で統計の基礎はわからなくても全く問題ないなと。つまり、どのような場面でどのような方法を使えばよいかのみ知っていれば十分だと。

例えば車を運転するにはハンドル操作やアクセル、ブレーキのやり方がわかれば十分で、機械的な仕組みやエンジンの構造などは、知っていればよいかもしれませんが、必須ではないですよね。人工呼吸器も、仕組みが分からなくても設定方法がわかれば臨床で困ることはありません。

自分が臨床研究を行う上で一番苦労したことが統計の勉強でしたが、同じように苦労している人にはとりあえず、どのような場面でどのような統計手法を使えばよいのかという情報のみのマニュアルがあればとてもよいなと思っていました。

そのように思っている時に大阪大学で大学院生として臨床研究について勉強することになり、一緒に働いている統計学者の方からRの存在を教えてもらったのです。嘘のようなホントの話なのですが、Rは無料の統計ソフトで、しかも市販の統計ソフトと比べても全く遜色のない程信頼度が高いソフトなのです。きちんと勉強すれば、できない解析方法はありません(どんな解析でも行うことが可能です)。さらに、一般的な解析であれば難しいR言語を学ばなくとも、Rコマンダーというパッケージを追加するだけでほぼマウスクリックのみで直感的に解析を行うことが可能です。

こういったことから、私は臨床研究を行いたい臨床医が自分と同じような苦労をしなくてもよいように少しでも力になればとの思いから本マニュアルを執筆致しました。そして、このRコマンダーの知識が臨床医の間で普及すれば、現在世界にどんどんと後れを取っている日本の臨床研究を少しでも盛り上げることができるのではないかと考えているわけです。

本書を使えば、私と同じように時間外で月150時間の臨床激務をこなしながら、4年間で筆頭著者として10編の英語論文を書きこなすだけの統計の実践的な知識が手に入ります。おそらくかなり優秀な臨床医でも後期研修の4年間で英語論文1〜2編を書くのが精いっぱいだと思いますが、私は10編の英語論文をはじめ、国際学会での口演発表等も複数こなすことができました。さらに、Rで最新の解析が行えるようになってからは循環器領域では世界最高峰の国際学会であるAmerican Heart Association 2013年度総会やAmerican College of Cardiology 2014年度総会でのYoung Investigators Award(YIA)でのFinalistをはじめ、国内外合わせて9つの学会・研究会からYIAを受賞させて頂きました。本書でポイントを押さえた勉強をすることで誰でもこのレベルの臨床研究が行えるようになります。

逆に、本書で扱っている統計手法以外の方法を使って臨床研究を行おうとしている場合、少し手法に関して見直す必要があるかもしれません。

また、本書は臨床医の視点で書かれているという点が他の教科書にはない特徴であると考えております。
正直、統計家の視点で描かれている教科書の多くには臨床医の知りたい情報が記載されておりませんし、小難しい統計学の話は我々臨床医の求めている情報ではありませんよね。

本書で勉強することで、臨床研究で一番大切な部分、すなわちどのような場面でどのような統計解析を行えばよいのか、そして行うためにはどうすればよいのかということが図を通して直感的に理解できるようになります。
忙しい先生の貴重な時間をデータの解釈に集中投資できるようになるということです。

いずれにしても、私が多くのお金と時間をつぎ込んで習得した知識を凝縮し、高額な市販の統計ソフトを購入する必要もなくなるマニュアルが4,800円です。高いと思うかどうかは読者さんの判断になりますが、Facebookの「いいね」の数を見て下さい。おそらく医学書でここまで「いいね」のついている書籍はアマゾン(インターネットで書籍の販売をしている会社)でもほとんどないと思います。どれだけ多くの人が満足してくれているのか参考になると思います。

そして最終的な自分の目標は、多くの臨床医が当たり前のようにRを使いこなし、自分のやっている治療行為が正しいのかどうか自ら判断できるようになることです。ちょっと壮大すぎる夢のような話ですが、自分の考えた臨床上の疑問を統計という客観的な指標を使って他者へ伝え、議論する中でより効果的な治療を行うための新たな視点やアイデアがみつかる過程は非常に有意義なものです。このような臨床医としての喜びを、皆で共有できればよいなと感じております。

私は、このホームページを訪れたあなたは、臨床研究を行うために選ばれた人間だと思っています。上昇志向があり、自分のできないことを見極め、そこを乗り越えるための解決方法をインターネットで検索しここまでたどり着ける人は本当にごく一部です。

ぜひ本書で勉強して、臨床研究という新しい世界に足を踏み入れて下さい。
今まで経験したことのない臨床医としての喜びを実感できるようになると思います。

最後になりましたが、臨床研究は少し特殊な症例を集めれば20〜30例程度の内容でも国際学会での発表や査読英文雑誌に採択される可能性が十分にあります。ぜひ多くの臨床医が臨床現場で培ったアイデアが本書を通して世界へ発信されることを願います。もし共感頂ける方がおられましたら Facebookの「いいね」ボタンを押して頂くか、お知り合いの臨床医の先生へ当サイトをご紹介して頂ければ幸いに存じます。

 

このような私の話に長々とお付き合い頂き有難うございました。
厚く御礼申し上げます(2017年4月23日)。

追伸
最近Rの認知度が上昇してきたこともあり購入者の皆様より気持ちのこもったお礼メールを沢山頂いているのですが、残念ながら個別に返信するのは時間的に非常に難しいのでこの場を借りて再度お礼を申し上げたいと思います。特にこれまで独学でRの勉強をしていて、手詰まりに陥っていたという方からの感謝のメールが多く、具体的に本書の良い点などをご指摘頂き、今後のマニュアル改訂の参考にさせて頂きたいと思います。本当にこのマニュアルを書いてよかったなって気持ちになりました。メールをお送り頂いた先生方、有難うございました!


お知らせ

1.
無料のメールマガジン
「臨床研究の立ち上げから英語論文発表までを最速最短で行うための極意」
の発行を開始しました(2013年7月〜)。

2.
英語学習のための教科書
「時間のない方必見!効率的に英語力を身に付けるための処方箋」
をリリースしました(2014年6月1日〜)
国際学会でも物怖じせずに発表できるだけの英語力を身に付けたいという方は要チェックです。

3.
臨床医が行う臨床研究を支援するために「日本臨床研究学会(クリックでリンクに移動します)」という非営利型一般社団法人を2016年5月9日に立ち上げました。英語表記はJapan Society of Clinical Research (JSCR)です。2017年4月23日時点で6つの研究が国際査読英文誌に受理されており、現在10施設、30案件以上のサポートを行っております。
支援実績は「こちらのページ」よりご確認下さい。
支援依頼の方は「お問い合わせページ」よりご連絡下さい。