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解析応用編

3. コクランアーミテージの傾向検定 Cochran-Armitage trend testを用いた解析方法

このサイトは無料の統計ソフトである「R」を用いて
コクランアーミテージの傾向検定 Cochran-Armitage trend test
を実行できるように説明したサイトです。
臨床医のためのRコマンダーによる医学統計解析マニュアル」の読者を対象に作成しており、本書の内容を理解しているものとして解説していきます。

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コクランアーミテージの傾向検定 Cochran-Armitage trend testは外的基準が連続変数であるときに各群の比率が外的基準と線形傾向があるかどうかを検定する方法です。
例えば薬剤の処方率の年次推移を確認し、増加傾向にあるかどうかを検定したい場合等に有用です。
検定にはprop.trend.test( )関数を使用します。

練習のため疑似データを作成してみます。R Consoleで下記のスクリプトを実行して下さい。

#####コピーアンドペースト_ここから################
Prescription<- data.frame(Year=c(1:5), Total=rep(100, 5), Drug=c(12, 20, 30, 45, 50))
#####コピーアンドペースト_ここまで################

RコマンダーでPrescriptionというデータセットを選択して内容を確認してみて下さい。



Yearは年度、Totalは各年度における患者の総数、Drugはある薬剤を処方された患者の数です。
Prescriptionというデータセットでは年度が進むごとに薬剤の処方割合が増加していることが見て取れます。

では実際に検定してみます。

R Consoleで下記のスクリプトを実行して下さい。

#####コピーアンドペースト_ここから################
prop.trend.test(Prescription$Drug, Prescription$Total)
#####コピーアンドペースト_ここまで################

下記のような結果が得られました。
Chi-squared Test for Trend in Proportions
data: Prescription$Drug out of Prescription$Total ,
using scores: 1 2 3 4 5
X-squared = 47.3575, df = 1, p-value = 5.915e-12

p<0.001と統計学的有意に薬剤の処方割合が年度毎に増加していることがわかりました。